米ドル不安と人民元のゆくえ

米ドル不安と人民元のゆくえ

今回の震災で、近い将来、日本が経常赤字国に陥り、国内で手当てできた日本国債のファイナンスを海外から手当てしなくてはならず、世界のマネーフローが逆流するのではないか、という懸念を持つ向きもある。

 

しかし、仮にそういった状況に陥ったとしても、中国の外貨準備はいまや3兆ごと世界の経常黒字国の外貨準備合計(約9兆ご)の3分のIに達し、現在も増え続けている。この中国のキャッシュフローがマイナスにさえならなければフールトーインバランスは維持できる。

 

むしろ注意すべきは経済問題というより中国国内の政治問題、民族問題が顕在化し、それがきっかけになって中国の経済に大きな衝撃を与え、外貨準備で増やし続けてきた海外資産を減らさざるを得ない、といケ事態に追い込まれることである。これがいま、世界経済が抱える最大のリスクではないだろうか。

 

G20(世界の主要20力国・地域)の首脳が、こうしたリスク認識をどこまで共有しているかは不明である。しかし基軸通貨ドルが不安定で不十分な通貨であることは皆分かっていても、当面は支え続けなければならないとの思いは共通であろう。

 

ドルに代わる国際通貨に関して世界で合意が得られていない以上、当面このワールドーインバランス、不均衡を世界で支え続け、徐々に解決を図るしかない。その意味で、世界は漸進的なドル安を容認せざるを得ないであろう。

 

一方、中国元については徐々に切り上げていくことになろう。中国自身が、外貨保有ポートフォリオからドルの比率を急激に減らすことは、自らの足元を掘り崩し危機のき金を引くことになることを一番理解しているはずである。

 

さらに最悪のシナリオとして日本も中国も米国債を買い支えることができない状況に追い込まれた場合、代わりになる購買力をどこに求めるか、緊急避難的に買い支える機関を世界でどう整備していくかを今から議論しておくことが重要になる。

 

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先週は米国の債務問題や景気を巡る不透明感を背景に76円台と史上最安値に接近するも、政府・日銀の円売り・ドル買い介入を受けて一時大幅反発した。月曜日は米連邦債務上限引き上げなどが暫定合意されたものの安堵感は僅かにとどまり、米格下げ懸念や7月米ISM製造業景況指数の下振れを受けた米景気減速懸念から、ドル/円は一時76.30円付近と史上最安値に接近。しかし、その後は「日本政府は介入を準備している。日銀は追加金融緩和策を検討している」と伝わるなど介入警戒感が高まった中、ドル/円の下値は限定的となった。FX投資家もア安堵できるであろう。