債務再編の可能性にさらされるギリシャ
このような困難が最も相輿疋されるのがギリシャである。国際通貨基金(IMF)および欧州連合(EU)によりい1111年I〜2月に実施された財政改善計画の進捗状況等に関する検証(注)では、IMF等は財政改善の困難性を以前にも増して強く認識しているようである。
この検証における債務の持続可能性分析では、基本ケースにおいてさえも、GDP比債務残高は現在の約140%から、12年にピークの約160%に達した後、20年に至ってようやく130%程度まで減少するという結果になっている。経済成長の鈍化、金利上昇など、より厳しい前提のケースでは、同債務残高が170%程度にとどまったまま減少しない可能性や、むしろ債務残高が増加し続けていく可能性も示されている。ユーロ圏が同債務残高を60%以内に維持するとの基準を置いていることを考えると、極めて厳しい状況である。
ギリシヤの現状をみると、経済成長率はすでに10年実績値が計画値を下回り、国債利回りも大幅に上昇を続けるなど、大変厳しい。こうした状況の継続がもたらす結果は、債務残高の高止まり、さらには増加方向への拡散である。これが意味するものは、ギリシヤが資金繰りの問題のみならず、国債の元利金減免、償還期限延長等の債務再編の可能性に直面している事実に他ならない。
ギリシヤでは12年I〜3月期に中長期国債の発行再開を予定している。買い手不在で国債の消化難が予想されるなか、何らかの新たな対応が不可避となろう。このとき欧州は、同国が依然流動性が問題の段階にあるのか、あるいはすでに債務返済能力を喪失した段階にあるのか、見極めを迫られることになる。
前者の場合には、追加支援によってギリシャに対しさらなる時間の猶予を与える選択肢もあり得る。だが、後者の場合には、このような対応は単なる問題の先延ばしに過ぎないことになる。
先週は米国の債務問題や景気を巡る不透明感を背景に76円台と史上最安値に接近するも、政府・日銀の円売り・ドル買い介入を受けて一時大幅反発した。月曜日は米連邦債務上限引き上げなどが暫定合意されたものの安堵感は僅かにとどまり、米格下げ懸念や7月米ISM製造業景況指数の下振れを受けた米景気減速懸念から、ドル/円は一時76.30円付近と史上最安値に接近。しかし、その後は「日本政府は介入を準備している。日銀は追加金融緩和策を検討している」と伝わるなど介入警戒感が高まった中、ドル/円の下値は限定的となった。FX投資家もア安堵できるであろう。